ブータンの一般状況を説明すると、ブータンはヒマラヤ山脈の東の中心部に位置する山岳国であり、1907年に現王朝が政権を握り、現在は4代目国王によって統治されている小王国である。
ブータンの北部は中国(チベット)と国境を接し、7,000m 級のグレートヒマラヤが聳え立ち、雪と氷河と岩の極地という地勢条件である。ブータン国内を流れる全ての川は、 2本を除いてすべてこの山々の万年雪に端を発し、国内を急流となって下っている。
国土面積は約 45800 平方キロメートル、九州の約 1.1 倍の大きさである。国土の殆どがモンスーンの降雨が作り上げた急峻な山岳に覆われ、平野は極端に少なく、小さな渓谷平野が国中に散在している。
国土の南部と北部山岳地帯の標高差は実に7,000mにも及び、その気候の多様さや地勢の多様さは特筆できる。特に生物多様性に関しては、世界中の 12 箇所しかない生物多様性の豊かな地域(ホットスポット)に選ばれており、その生物種の 60 %は固有種である。
人口はおよそ 65.7 万人、人口密度は 14.3 人/ km2 、人口増加率( 1994 年)は 5.6 %であり、多くの途上国がその人口圧で苦しんでいる中、「人が少ない」状況を保っている。
主な産業は電力輸出で国家歳入の 40 %を占めている。その他セメントや 1 次産品などの輸出、観光業、農業などが主な産業である。一般のマーケット規模は小さく、国内消費はその産業の規模如何では当てに出来ない状況となっており、マーケットを隣国インドに求めている状況である。
国内政策で特徴的なのはGNH(国民総幸福量)を開発計画の核にしており、急ぎすぎる開発を避け、身の丈にあった開発や発展を選ぶ事を国家方針としている点である。何事にも「中道」を選択する国王は、自然保護と開発のバランスを常に考え、仏教に基づく幸福を最大の目標としている。
生活の隅々まで仏教の影響が行き渡っており、日常的に人々の「祈り」の姿を目にする事が出来きる。多くの人々は古きよき日本の姿をブータンの中に見出す事であろう。